2016.08.12 Fri

Written by EDGE編集部

コラム

【U-18】世代最高峰の決勝を制した帝京長岡。今すぐFリーグにほしい2人の逸材、齋藤日向&安井嶺芽

写真:本田好伸

第3回全日本ユース(U-18)フットサル大会が8月4日から7日まで、宮城県で開催され、決勝戦で北信越地域代表・帝京長岡高校(新潟県)が関東地域第1代表・フットボウズ・フットサル U-18(東京都)を下して初優勝を飾った。その壮絶な決勝戦を含め、今大会を通じて圧巻のパフォーマンスを示し続けたのが、帝京長岡の4番・齋藤日向と6番・安井嶺芽。彼らは、今すぐにでもFリーグにほしい逸材だった——。
(文・本田好伸)

世代最高峰のハイレベルな決勝戦

高校生年代のフットサル日本一を決める大会、第3回全日本ユース(U-18)フットサル大会は、決勝戦で北信越地域代表・帝京長岡高校(新潟県)が関東地域第1代表・フットボウズ・フットサル U-18(東京都)を8-6で下して初優勝を飾った。

 その決勝戦が壮絶だった。序盤からペースをつかんだのはフットボウズ。日頃からフットサルを専門にトレーニングし、1-3、クワトロなど、セットごとに特徴を変えた戦いはまさしく世代最高峰のレベルにある。その力を存分に発揮し、滝口真太郎、冨吉洸貴のゴールで前半に2点を先取した。さらに後半早々にも南雲颯太が決めて3点をリードし、試合を優位に進めていた。

 それでも、帝京長岡の真価はここから発揮された。

 帝京長岡は例年、80人弱の部員がそろうサッカー部の主力がメンバーに名を連ね、今大会もそのつもりで大会に選手を登録している。ただ、直前に開催された全国高校総体(インハイ)で1回戦負けを喫したため、サッカーに注力するメンバーを増やした。

 そのため、インハイで全国の舞台を踏んで今大会に参加したのは、4番・齋藤日向と途中出場の16番・荒井太樹だけであり、フィールドプレーヤー9人という少数精鋭で臨むことになった。それでも、彼らの個々の基礎技術は高く、どんなときでも安定したパフォーマンスを見せて勝ち上がってきた。

 さすがに疲れを見せ始めた決勝戦の前半は押し込まれていたもののの、24分に生まれたエースのゴールが彼らをよみがえらせた。

 左サイドで一人をかわした齋藤は、そのままGKの頭上を抜くトーキックのシュートを放ち、クロスバーを直撃しながらゴールを奪った。ここから、帝京長岡が徐々に本来の力を見せ始めるが、フットボウズも簡単には譲らなかった。直後の24分、南雲の右サイドの仕掛けからファーへと送られたボールに加山直明が合わせて再び3点差とする。

 すると今度は27分、フットボウズの横パスを高い位置で奪った安井嶺芽がそのままゴールを奪取。その後も帝京長岡が圧力を増していくが、31分、フットボウズが相手陣内で競り合いからマイボールをつかむと、見事な連係から松田隼のゴールが生まれ、再び3点差に引き離した。試合は残り10分、趨勢は決したかに思われたが、本当の戦いはまだここからだった。

 32分にタイムをとった帝京長岡は、それまでフィクソを任されていた齋藤をピヴォに置いて得点を狙っていく。すると35分、自陣の安井から、まさに狙い通りのボールが前線の齋藤に収まり、きっちりとゴールを陥れる。直後には左サイドの荒井が中央にドリブルで侵入して自らネットを揺らし、1点差に迫る。そして38分、帝京長岡はゴール前で直接FKを得ると、安井が思い切り振り抜きボールはゴールに突き刺さる。帝京長岡の怒濤の攻撃で、試合はついに振り出しに戻った。

 そのまま延長戦にもつれ込むが、両者には大きな差があった。帝京長岡の1に対して、フットボウズのファウルはすでに5つ。この試合のファウルは、基準が安定しないという意味で、両者は同条件で戦っていた。少し前に吹かれなかったプレーで吹かれたり、帝京長岡に追い風、フットボウズにとっては不運も重なっていた。

 そして42分、またもや際どい判定から、帝京長岡が第2PKを獲得。これを安井が右隅へ狙いすましたシュートを決め、帝京長岡が初めて勝ち越しに成功した。さらに43分にも第2PKを獲得し、安井が再び決めたものの、味方が先に動いてしまったためにやり直しとなり、これはフットボウズのGK野澤拓実がセーブした。

 フットボウズはその後、延長後半から茶碗谷廉太朗をGKと交替してパワープレーで反撃を狙ったものの、この采配は帝京長岡も織り込み済み。フットボウズは1次ラウンドで長時間にわたってパワープレーをしていたために、帝京長岡もスカウティングで狙いをしぼり、まさにその対策通りの形からボールを奪取。47分に澁谷輝がパワープレー返しで7-6とリードを2点に広げた。

 あきらめないフットボウズは、直後に左サイドの村上拓也が反転からゴール前にシュートパスを送り、加山が決めて再びの1点差に。その後は前掛かりとなったフットボウズの裏を突いた帝京長岡がチャンスを作りながら、フットボウズもかろうじて凌ぎ、最後まで目の離せない展開となったが、残り8秒、荒井のパワープレー返しが決まって勝負あり。決勝戦にふさわしい世代最高峰の激闘の末に、帝京長岡が悲願の大会制覇を成し遂げた。

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フットサルに興味を示す2人の逸材

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